室内で育てる観葉植物でも、日当たりや水やりなどの管理をきちんとしていれば、おおむね元気に育ってくれます。そのはずなのに、いまいち植物に元気がないということがあります。
病気や虫害がおきていなければ、室内育ちだからこそ起こり得る落とし穴にハマっているかもしれませんよ。わたしも、これを改善することで、元気になってくれた植物たちがたくさんいます。
今回は、室内で観葉植物をそだてるときに、見落としがちなたった1つのことを紹介します。
風通しの悪い環境では植物が弱ってしまいます。
観葉植物の育ちが悪くなってくると、日当たりや水やりのことを、真っ先に考えてしまいますよね。
とくに、日中はお仕事などでお家を空けてしまう方は、いない間の日当たりや水の管理を丁寧にしなければいけません。
手をかけているのに元気がなくなるとすれば、それ以外の要因を考えてみる価値がありそうです。
例えば、閉め切り状態のお部屋。
観葉植物の葉や茎に、あきらかな虫害や病気(シミや黒い点など)が見られないときには、風通しの悪さによる「生理障害」が考えられます。
ちょっと、専門的な言葉に感じますけど、なんとなくでも知っておくとよいと思います。
植物の生理障害は、日照、降水、気温、湿度、栄養の過不足などによって引き起こされます。多くの場合は、葉の色、葉の大きさ、葉の形状、茎の太さ、全体の姿に不調があらわれてきます。
たとえば、マンションなどのお部屋の場合は、気密性が高いでしょうから、無風状態になりがちですよね。
風通しは、とても軽く考えられてしまいますが、湿気との兼ね合いだけでなく、植物にとってはプラスの働きかけをしてくれるのです。
風通しの良さは、光合成、呼吸の促進につながります。
観葉植物に風通しがプラスに働く効果は想像よりもすごいのです。それは、環境の問題だけではなくて、植物自体にプラスになる効果です。
風通しの良い環境では、植物の葉(とくに裏側)にある光合成や呼吸をおこなうための気孔の開閉を促進してくれるようになります。
風があり、空気が流れる環境では、光合成や呼吸が促進されるだけではなくて、温度調節や根からの水分吸収を促進させる「蒸散」をうながす効果もあります。
呼吸や光合成は、育てている人間側が気づきにくいことですよね。植物にとっては、育つうえでとても大切なことなのです。
日当たりのよいところを好む観葉植物は、空気が流れている環境を好みます。空気が流れていると、病気を予防することにもつながります。
土や水との関係でも、水やり後の湿気の問題を含め、植物へのダメージを防ぐことにもなりますよね。
風通しの目安は?どのくらいの風がよいのか。
風通しといっても、どれくらいの風がふいていればよいのでしょうか。
植物にあたる風は、葉がやさしく揺れるくらいが理想です。そして、一定の方向からだけではなく、不規則に、いろいろが方向から吹いてくれる状況が一番です。
だけど、ここまでの環境づくりは、むずかしいかもしれませんよね。
それであれば、少なくともドアをあけておいて、人が動いたときなどに空気が流れるくらいでもよいです。
もちろん、扇風機を使うこともよいと思います。サーキュレーターの方が優しい風を出してくれるかもしれません。このときに「首ふり」にしておくのがポイントです。
それでは、ここでポイントをまとめてみますね。
風通しのよさがもたらす植物へのプラス効果
・風通しがよい環境では、呼吸や光合成などが促される。
・溜まってしまう湿気の対策としても有効。
・病気の予防にもなる
植物を育てるときには風通しが重要
・閉め切りのお部屋では無風状態になってしまっている。
・ドアをあけて、少しでも空気が流れるように工夫すること。
・扇風機などをつかって送風するのも有効。
風通しのよさは、話には聞くけれども、実践できていないことが多いものです。
窓を開けにくい環境だったり、日中は留守にすることが多かったりすると、どうしても風通しの悪い環境で育てることになってしまう場合もあります。
少しの工夫で空気は流れるようになりますから、ぜひ、チャレンジしてみてくださいね!
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