前回は、日陰でも育つ観葉植物の中から人気の高い7種類を実際に育ってみたというお話をしました。
ですが、紹介したのは5種類。残りの2種類は見事なまでに枯れてしまったのです。共通の症状は「葉っぱが落ちる」ということです。
育て方はハイドロカルチャーで水の管理はバッチリだったはずです。根っこを確認したときも腐っていませんでした。
「なんでだぁぁぁぁ!?」と、いろいろ調べたり、考えたり、相談したりしたところ、それらしい原因も判明しました。
今回は、日かげで育てて枯れてしまった観葉植物2種類を紹介します。
耐陰性があれば日かげでも育つと思っていませんか?
観葉植物などの室内で育てる植物には、日かげで育つかどうかの指標として「耐陰性」という言葉が使われます。
「耐陰性があるから強い」とか、いろいろな意見が飛び交いますが、わたしは自分の体験から、「耐陰性」の考え方をあらためるようになりました。
耐陰性が問題なのではなく、日かげが問題なのです。
日かげは、真っ暗状態とは違います。植物を育てるときの日かげの考え方は「直射日光は当たらないけれど、周囲の明るさは十分感じられる場所」のようにとらえた方がよいのです。
ですから、さまざま説明文の中で「レースのカーテン越しに光があたる窓際」と表現されているのですね。
植物の耐陰性を気にするのではなく、まずは、自分のお部屋の環境がどうなっているのかを考えてみることも大切なポイントといえます。
それでは、本題にまいりませう。枯れてしまった観葉植物を紹介します。
精霊の木ガジュマル。生命力が強くても枯れます。
ガジュマルは「精霊が宿る木」「幸福の木」とも呼ばれていて、運気がアップすようなイメージからか安定の人気を誇る観葉植物です。
その姿はとても特徴的で、幹の下の方をご覧いただくとわかるように、今にも逃げ出しそうな足のようにもみえますね。笑
ガジュマルはとても生命力が強くて、葉っぱが全部落ちたとしても、そこから復活するくらいにしぶとく生き続けてくれます。
ですが、そのガジュマルが、わたしの家では枯れでしまいました。
はじめは、葉っぱも健康的な色をしていましたし、葉の変色も、幹などが傷んで見えることも、まったくありませんでした。
ところが、ある日、鉢の位置を変えてあげようと動かしたところ「バサっ」という音とともに、3分の2以上の葉っぱが緑色のままゴッソリ落ちました。
「まさか!?これは現実!?」と思いながら、残った葉っぱを揺すってみると、全部の葉っぱが落ちてしまったのです。
原因は根腐れを指摘する方が多かったのですが、わたしは日照不足だと思っています。
ガジュマルは、もともと日光を好む植物です。育てる環境も、窓際などの光が挿す場所に置いてあげるのが正解なのですね。
そして、過湿状態にも弱いですから、水やりや風通しも大切なポイントになります。
観葉植物は特に気を付けないといけないのが、急激な環境の変化です。
日なたから日かげ。日かげから日なた。このように、これまで育ってきた環境とは、まったく違う環境に置いてしまうと、ストレスがかかり、葉を落としたり、弱ってしまったりすることがあります。
植物が葉っぱを落とすのは、たぶん生命維持を最優先するためだと思います。わたしの育てていたガジュマルは、完全な日かげで光があまり入らない場所に置いていました。
きっと、日照不足の状態が、最悪の状態まで極まって、葉を落とし、枯れてしまったのだと思います。
とても、残念であります。無念じゃ・・・。結構、高かったのになぁ。涙
カポック(シェフレラ)も葉が変色して枯れました。
とにかく、どんな環境でも育つといわれているカポック。シェフレラという名前で店頭にならんでいることもあります。
この2つは違う植物といわれていますが、見た目には、ほとんど同じようにみえます。笑
カポック、シェフレラは、耐陰性があり屋内でも十分に育ってくれるといわれています。(これ以降は、シェフレラのみで示しますね。)
でました。耐陰性。はふぅ~・・・
シェフレラは、室内でも育ちますが「外の光が入る明るい室内」が目安になります。日中、カーテンを閉め切りで出かけてしまったり、家具の物陰になってしまったりする環境はよくありません。
そして、シェフレラは風通しが悪いと弱りやすいように感じています。加湿状態が得意ではないのですね。
風通しを軽く考えてしまう方も多いのですが、空気が流れる環境では、空気の流れが葉を刺激して、根っこからの吸水をよくしてくれる効果などもあります。とても、大切なポイントなので、あなどれません。
わたしは、日中は仕事にいかないといけませんから、カーテンを閉めて、部屋の窓やドアも閉めてしまいます。この環境に置かれていたシェフレラには、どうにも止まらない変化が出てきました。
葉っぱが黒くなる病です。病気ではないのですが、まるで病気にでもなったかのように黒点ができては、それが広がっていくのです。見た目にも、全体的にハリがない感じ。
葉っぱが完全に黒くなると、葉が落ちます。やがて、房全体に広がり房が落ちます。これが、どんどん広がっていくのです。
これを目の当たりにしてから、葉っぱの表だけではなく、裏側も見る習慣が身につきました。
根っこが元気な状態でも、このような現象が起こるのは、とても不可解だと思っていました。この症状は、本やネットで調べても、まったく解決策がみつからず、原因もよくわかりませんでした。
ところが、あるとき「日照不足」が原因で、このようなことが起こるという情報にたどりつきました。園芸相談所にも相談してみたのですが、結論は同じく日照不足で一致しました。
ですから、シェフレラなどの強いといわれている観葉植物でも、育てる環境を選ばないといけないのですね。
過去記事がありますので、よかったらごらんくださいね。⇒「シェフレラ、カポックの葉が黒くなって落ちます。原因と対処方法がわかりません。」
いかがでしたか? 今回は、わたしの失敗体験をもとに、2つの観葉植物を紹介しました。
これらの植物が悪いのではありません。育てる環境をきちんと整えることができるのなら、十分元気に、健康に、大きく育てることもできます。
あくまでも、わたしの個人的な意見ですが、観葉植物は「樹木」タイプになると、草花とは違った変化がでやすく、対処もしにくいように感じています。
育てる環境が、完全に日かげになるような場所であれば、樹木タイプの観葉植物を育てるのは難しいのではないでしょうか。(今回、紹介した2種類は樹木タイプです。)
はじめて観葉植物に挑戦したい方は、前回紹介した草苗タイプがおすすめですよ♪(⇒「日かげの部屋でも育つ観葉植物。人気の7種類を本当に育ててみた結果報告!」)
お部屋の中にグリーンがあると、とても癒されます。ちょっと疲れたとき、悩んでいるとき、ふと植物が目に止まる生活空間は、無意識のうちにリラックスできますよ。
是非、インドアグリーンにチャレンジしてみてくださいね!
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